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「限りなく灰色に近い光」
2009年08月11日~2009年08月16日

脚本・オパヤン
演出・中屋敷法仁(柿喰う客)

出演・アップダウン/マキシマムパーパーサム/トンファー/マヂカルラブリー/中野公美子

200X年裁かれる男達
罰から逃れるために…
それとも人のために…
男達が向かう先にある光は?


細かいようだけれども、「200X年」って2000年~2009年の間の、10年間だけなんだよね…。
なんか、2009年に「200X年」って言われたら、「いや、それ今年じゃね?」って思っちゃうんだけど…(笑)。
2010年だったら、「20XX年」になりますよね?「20XX年」だったら、もしかしたら2099年かもしれないですから、まだ90年先のことなのかもしれないなーと思えますよね。

うーん、気になるな…「200X年」の表記って…(笑)。


+ + + + + + + + + +

8月15日、神保町花月アップダウン班「限りなく灰色に近い光」を見てきました。楽屋裏ブログで大体の内容と写真がありますのでそちらも参考に。…まあ、このあらすじだと駆け足過ぎて、よく分かんないんですがね(笑)。

お盆で東京に人が居ない、そしてこのメンバー(?)ということもあって、座席の前列3,4列くらいまでしかお客さんが入っていませんでした。大体50人くらいですかね。こんなにアットホームな神保町は初めてです(笑)。
以前までは、後ろに3,4列くらい空席があるだけで、「ああ、さみしいなあ…」と思っていたのに、今回は前3,4列のお客さんとは!(笑)

でも、エンドトークで竹森さんもおっしゃっていたのですが、わたしが見に行った土曜の1回目は、わたしを含めて本当によく笑うお客さんたちで、凄く爽快でした。基本、笑いっぱなしでした(笑)。だって本当に面白かった!


演技をするマヂカルラブリー、というのがピンと来なかったのですが、2人とも良かったなあ。
村上さんは、多分狂気の演技を真面目にさせたら、凄くハマるんだろうなあと思いました。目が怖いんですよ、目が。
今回は写真や手紙の仕掛けに、見事に撃沈していて(笑)それほど強く「怖い」印象は残らなかったのですが、それでも多分、本当に真面目に演技をさせたら、凄く怖いんだろうなあ。

村上さんが、写真と手紙によって妻の不倫を知り怒りを爆発させ、憎しみの為に妻を殺す計画を立てる(しかもそれが、自分の手を汚さず、自分は逮捕されず、自分が死なない方法、と考えていく辺り、本当になんというか…。)そんな役なのですが、

まず、小道具である「妻と部長が、腕を組んで写っている写真」が、全然違う写真にすり代えられいるというイタズラ発生(笑)。
これがね、見えるんですよ、舞台と客席が近いもんですから、明らかに違う写真なのが、透けて見えているんですよ。
はっきり何の写真なのかは分からなかったんですが、それでも村上さん、笑いが堪えきれていなくて(笑)。

そうして、部長が妻宛てに送ったラブレターを読み、怒りに震えるところでも、多分あの手紙、全然違う文面だったんでしょうね、またもや村上さんが撃沈しているのですから(笑)。


野田くんのほうは、演技云々より、声が男前(笑)。
声が、「イケメン」ではなく、「男前」。うん、「イケメン」じゃないのよね、「男前」なのよ。
本当に、「男前」という単語がしっくり来る、男前な「声」。
目を閉じて聞けば、一体どんな男前が喋っているのですかー!?と思ってしまうような、すごく美しくて綺麗な声でした。長いセリフでもすごく聞き取りやすく喋るし、良い声だなあと思いました。
演技より、声のほうに聞き入ってしまう(笑)。
本ッ当に男前の声。ただただ、それだけでした(笑)。(今回、それほど出番も多いほうじゃなかったんですよね。少ないわけでも無いんですが、途中でがっつり居なくなってしまうので。)

ちなみにお気に入りは、竹森さんとのシーンで
竹森「お前が催眠術使えそうな顔してるのが悪いんだよ!(言いながら、野田くんの髪型を示すジェスチャー)」
野田「(そのジェスチャーを受けて、)ここまではねーよ!」

このやり取りが好き過ぎた(笑)。
野田くんが、「催眠術が使えそうな顔」してる、っていうのがハマり過ぎていて(笑)。


お話としては、途中で阿部さんは多重人格のフリをしているだけ、というのも、なんとなく気付いてしまいましたし、そうなると恐らく、「阿部さんが死刑になるというオチ」なのだろうなあ、というのも読めてしまいました。
過去の時代の人に触れると死刑が確定する、と言われつつも、野田くんと竹森さんが過去の人に触れてしまうシーンでも、「ああ、これは恐らく、この2人は死刑にはならないんだろうなあ」と思いながら見ていました。

つよしくんが刑務官だというのは、多分過去の世界に、そういった人が必ず居るはず、というのは思っていました。それがつよしくんだとは分かりませんでしたが…。(猫と黒柳徹子とペリーの衝撃ったら!笑)

分かりやすいと言えば分かりやすい、とてもあっさりしたお芝居なんです、タイトルである「限りなく灰色に近い光」という言葉も、こんなに丁寧に説明しちゃいますか、と言うくらい、劇中で説明してしまいましたし。(仕方ないと言えばそうとも言えるタイトルですが…。)

最後に阿部さんが死刑となり、野田くんと竹森さんが「限りなく灰色に近い光」を語るシーンは、ただただ話がくさすぎて、まともに聞いていられなかったです。
ああ、やっぱり「ハッピーエンド」が神保町のテーマなの?…と、残念に思った、次の瞬間に登場した長澤さんであっけにとられ、そして更に待ち受けていたのが、小浜さんの壮大過ぎる阿呆なオチ!!(笑)
この突き抜けた阿呆さは凄く良いなあと思いました!

やっぱり、「なんとなく良い雰囲気で終わるお芝居」じゃなかった、ということが、嬉しかったです。
あんなに陳腐な終わり方をされたら、たまったもんじゃなかったです。
そこにひとつ、のっけてくるのがオパヤンさんだなあ、と嬉しかったです。


阿部さんが多重人格者だと偽っている証拠となった「ロープ」の伏線には、全く気がつきませんでした。なるほどなあ…、うまいなあ…。というか、あれは気づかない(笑)。

オパヤンさんはブラックな脚本の印象が強すぎて、ブラックなオチを考えると、もし久馬さんだったら、阿部さんが死刑を宣告されたそのシーンで、もうお芝居を終えていただろうなあ、と思いました。
一切「救い」など考えさせず、突き落としたまま終わるんだろうなあ、と。
ただ、「今の」久馬さんだったら、これと似たようなオチになっていたかもな、とも思いました。あくまで、「サークルS」から「こわがり」辺りのブラック加減を思うと、突き放すだろうなあ、と思うのです。

だからやっぱり、久馬さんであれ、オパヤンさんであれ、なんだか「まるくなってきた」のかなあ…?と思ってしまって、少しさみしいです。

オチの突き抜けた馬鹿さ加減は、「Lady In The Box」を思わせて、本当に爽快でした。
本当に、馬鹿だなあ!って心の底から思いました。


このお話って、本当にひとりひとりのキャラクターが、隅々まできちんと描かれているので、丁寧だなあ、という印象を受けました。
たまに、それが雑な脚本って、やっぱりあるんですよね。キャラクターの書き方が、粗雑なだけのお話。だからこのお話は、そこが本当に丁寧に書かれているので、見ていて気持ち良かったです。
なんというか、ほっとかれるキャラクターが居ないんですよね。ちゃんと全員に見せ場があって、全員のことをきちんと話の流れの中で自然に拾っているから、印象に残らないキャラクターが出てこない、という。

例えば、ともすればトンファー山西さんの刑務官の役なんて、雑なキャラクターの書き方をしてしまえば、きっと印象に残らない、なんのキャラクターも無いおもしろみのない役になってしまっていたと思うんです。
なのに、山西さんの刑務官、めちゃめちゃ面白くて、くっきり爪あとを残してお芝居が終わる、という。お芝居を見終わったあとに、あの刑務官の役も面白かったなあ、って感想が残る、それが凄いと思うんです。
長澤さんの拾い方もうま過ぎると思ったし、絶対にチョイ役(エキストラ的なもの)だと思っていた小浜さんが、まさかの大オチを飾る流れも、本当に素晴らしかったなあと思うのです。

ひとりひとりが、みんな丁寧。
そういう脚本って、やっぱり見ていて気持ちが良いものなんですね。

以前、同じ神保町で見たお芝居で、「この役、このお芝居に必要?」と思った粗雑な脚本を見たことがあるので、今回はすごくスッキリしました。
みんなそれぞれ、意味があって。


本当に良いお芝居でした。もっとお客さん入って良いと思う(笑)。本当に、全然もっと、お客さん入っていたっておかしくない、良いお芝居だったのに。勿体なかったなあ。

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