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神保町花月「ヒロイックシンドローム」
2008年1月29日(火)~2008年2月3日(日)

脚本・熊本 浩武
演出・岡田 朋也(kurukuru on parade)

出演・井上マー/POISON GIRL BAND/アホマイルド
    レアレア/若月/天狗
    乾智/あそぶ/相原慎吾/エンバン製造所/八百八町(黒田延浩・佐伯かつと)(※東京NSC12期卒業)

あらすじ・人類の平和のために命を懸けて戦っていたはずのヒーローが訴えられた! これにより“ヒーローが人間に裁かれる”という前代未聞の事件が発生。
ヒーローにとっての真の敵は怪人?それとも… 


+ + + + + + + + + +
この世の中に、「怪人」と呼ばれるものたちが現れるようになった。
そこで大畑総理(レアレア大浜)は考えた。「ナゾレンジャー」という新しいヒーローを生み出し、怪人と闘わせることにしたのだ。
ナゾレンジャーは、レッド(井上マー)、ブルー(ポイズン阿部)、イエロー(アホマイルド坂本)の3人組。
彼らの活躍によって、人々は平和な生活を送っていた…が。

怪人「海老男」に、100トンチョップをくらわし息の根を止めたナゾレンジャーレッドが、殺人の罪で訴えられ、懲役5年の刑を受けた。
刑務所内には、猫のような言動をする3人組(ポイズン吉田、アホマイルド高橋、若月徹)が居た。

出所後、「もう、俺はまともな生活をする」と宣言したレッドだったが、その顔は既にネットや雑誌で出回っており、新しく入ったバイト先の、喫茶店のマスター(若月亮)にまで見抜かれ、「人殺し」だとののしられる。
とても「まとな生活」とは、程遠い現実が待っていた。
それは、今まで自分が「守ってやっていた」と思っていた、一般市民が敵になったという現実だった。

レッドの苦悩をよそに、ブルーとイエローの2人は本当に気楽なものだった。
刑が執行されたのは、海老男にトドメをさしたレッドのみ。そして、レッドが刑務所に入れられていた5年間は、平和そのもので暇だったのだ。
怪人と戦う為に改造された体で、レッドはビニール袋をかぶってその口をガムテープで縛り、試してみた。
そして気がついた。

「俺たち、結構簡単に死ぬぞ!」

そんな折、レッドのマンションに尋ね人がやってきた。
それは刑務所で一緒に居た、猫のような行動をとる3人組。
彼らはそれぞれ猫村、猫田、猫本といい、「怪人」だった。しかし…

猫村(ポイズン吉田)の話では、彼ら怪人は、ナゾレンジャーは、「子どもをさらって食べている」だの悪行の限りを尽くしているのだと言い聞かされて、そんなナゾレンジャーと闘う為、プチ改造(プチ整形のノリでどうぞ。)されたのだという。
レッドに殺された「海老男」も、もともとは普通の人間だった。しかし多額の借金を抱え首が回らなくなったところに怪人となるプチ改造を受け、既に離婚してはいたが妻と息子が居た。
基本的に、「怪人」というのは天涯孤独となったものたちがターゲットにされる。

そして、そんな「怪人」たちを作り、ヒーローと戦わせていたのは、
大畑総理だった。

大畑総理が就任後に欲しかったものは、「支持率」。
自分の支持率を上げる為、大畑は「ヒーロー」と「怪人」を作った。
結果、大畑総理の支持率は上がった。

その為、その総理の汚職事件が発覚した5年前から、ぱたりと新しい怪人が現れることはなかった。だからレッドが刑務所に居た間は平和だったのだ。

猫村たち3人が刑務所に入れられていたのは、「総理が黒幕である」ことを知ってしまったから。
そして、そんな猫村たち3人は、レッドたちと手を組もうと現れたのだ。

市民から「人殺し」とののしられ、市民が「敵」になった今、自分が闘う「敵」は、一体誰なのか。
苦悩していたレッドに、答えが出た。
自分たちの「敵」だと設定されていた「怪人」も、今となっては「敵」ではない。
自分たちは、一般市民の平和を守っていたヒーローのはずだった。
けれど、その平和を乱していたのは、政府。

真の敵は、大畑総理だ。
ヒーロー3人と、怪人3人。
6人は団結して、真の敵を倒すべく気持ちをひとつにする。
何が正義で、何が悪なのか。
ヒーローが闘う相手が居なければ、ヒーローの存在している意味がない。
闘志を燃やすレッド。

だが…。
レッドと猫村の2人が見た現実。
それは、用済みになった大畑元総理が、ホームレスとして喫茶店のゴミを漁っている姿だった。
汚らしく、ボロに身を包み、髪もヒゲもぼうぼうに生やして、ゴミを漁っては笑う、哀れな姿を見て、愕然とする2人。
それは、いっときは地位も名誉も手にした男の、無残ななれの果てだった。

「戦う相手は、もう、いない…」
「生きていく目的を、失った…」

つぶやくレッドと猫村。
そして。

喫茶店のバイトの店員(レアレア桑折)を人質にとり、ナゾレンジャーの3人は悪行の限りを尽くしていた。
「俺たちをいいように利用しようとした政府に復讐する為、一般市民を皆殺しにしてやる!」
激昂するレッドたち3人。
それを必死に止める猫村たち3人。
ヒーロー3人に殴られ、蹴られ、それでも闘うことをやめない怪人たち。
思わず、レッドは叫んでいた。

「どうしてお前らは、そんなにボロボロになってまで、俺たちを止めようとするんだ!」

猫村は言った。
「だって…。だってあなたは…ともだちだから」

ヒーローたちは、いや、ブルーとイエローの2人は、その言葉に我に返った。
だがひとり、レッドだけは首を振る。
「もう俺は、ひとりぼっちだ…。仲間なんて…。俺には居ない…」

そんなレッドの頬を、殴り飛ばした男が居た。
それは、ヒーローと怪人の戦いを、息を呑んで見守っていた、人質のバイト店員だった。
「馬鹿野郎!お前の後ろをよく見てみろ!これだけの仲間に囲まれていて、それでもお前はひとりぼっちだって言うのか!?」

バイト店員の言葉に、レッドは目を覚ました。
ヒーローと怪人は、こうして仲良くなった…。


という内容のヒーローショーを終えて、レッドや猫村たちは、休憩のときをとっていた。

猫村が言う。
「でも…、こんなにも事実に近いヒーローショーなんかやっちゃって、大丈夫なんですかね?」
それに対してレッドは言う。
「誰もこれが本当の話だなんて、思いもしないだろうから。
 それより、俺たちが闘う相手なんて、もう居ない。俺たちが闘う意味も、もう無い。
 …だったら、俺たちに出来ることは…、こうやって、【起こった出来事】を『消し去る』のではなく、『伝えていく』ことなんじゃないのかな、って…思うんだ」

でも、その「伝える手段」が子ども向けのヒーローショーねぇ?とブルーが茶化すように言うと、バイト店員は、それでも何やら、このショーを楽しみにしている親子連れがいるそうだと口にする。
その小さな男の子は、珍しいことに「怪人」のファンだそうで、手紙を預かっていたらしい。
宛名は、「ナゾレンジャーレッドへ」。

ヒーローであるレッドに届いた手紙。呆れたように、ブルーは言う。
「この話、ヒーローが人質とったりとか、途中でどっちがヒーローでどっちが怪人か、ごっちゃになっちゃうもんねぇ」

ひとりで、レッドは手紙を読んだ。
このヒーローショーのファンだという親子…。その手紙は、レッドが殺した怪人「海老男」の、息子からの手紙だった。
つたない文字で書かれた文面。
「ぼくにはおとうさんがいないけれど、ナゾレンジャーレッドをみていると、げんきになれます。だから、ぼくはナゾレンジャーレッドがすきです」

レッドは、その手紙の文字を、一字一句かみ締めるように読みながら、深くうなずき、感極まったように震えた。
そして左拳を、小さくグッと握った。

「ヒロイックシンドローム」完。


***
もともとこの「ヒロイックシンドローム」は、井上マーさんが神保町のお芝居で演技をしている姿を、一度でいいからどうしても生で見たい!
そう思ったことと、もうひとつは、
この「ヒロイックシンドローム」というお話の宣伝文句、「人類の平和の為に命をかけて戦っていたはずのヒーローが訴えられた!」というお話の内容に、ちょっと興味を持ったからでした。

正直に、見終わった直後に思ったありのままの感想は、
「で、結局何が言いたかったのかなぁ?」
でした。

何が「善」で何が「悪」か。「ヒーロー」の存在意義って何?「怪人」ってそもそも本当に悪いやつなの?
そんなことを最初に言い出したのは、一体誰だったのか、最早分かりませんが。
例えば「桃太郎」に出てくる鬼が可哀想だとか、そんな時代になってきているんですよね。

正直、本当に正直な話、このお芝居を見終わったあとは、「一体このお芝居、何が言いたかったんだろう?」とずっと考えました。

で、どうもわたしは深く考え込み過ぎたようで、こうして↑話を追っていくと、ああ、そういうことか、と。
別に深読みし過ぎる必要もなく、なんていうか、その結論を改めて簡潔に言うのがすっごく二度手間というか…面倒くさい(笑)作業なんで、つまり、そういうことか、と、わたしはやっと納得…納得?かな?うん、まぁ、話を飲み込むことは出来ました。

もうちょっとこういう「善悪」を扱うのなら、深いところまで掘り下げてほしかったような気もするんですが…。
どうも神保町花月って、全体的に、本当に客層が「若い」と思うんですよ…ね。
だから、例えばこれのひとつ前に上演されていた「東北ラブストーリー」みたいな、「分かりやすいお芝居」が好まれるような…。

「アダオトコ」でも、そうでしたね。
昔は「分かりづらいお芝居」が好まれていたのに、最近の客は、「分かりやすいお芝居」を求める、という傾向にあるそうです。
だから、この「ヒロイックシンドローム」も…ある程度、「分かりやすいお芝居」に留まっているのかなぁ…?と思いました。

「お芝居」としての感想は、こんなもんです。
他の、役者さんとかボケの部分とかの感想は、また、おいおいつぶやいていこうかな、と。


とにかくポイズン吉田さんの和服姿には、完全にやられました。
尋常じゃないぐらい和装が似合う。
セットに片足をかけて座ったときなんて、「足首…!!」と、裾からのぞいた足首に釘付けになったとかハイすみません変態ですみませんほんとになんかすみません。
わたし、自分が和装フェチだとかそういう風に思ったことは今まで無かったんですが、あまりの吉田さんの和装の似合いっぷりには、心底度肝を抜かれました。
あれは吉田さんが悪いんです、きっと。(責任転嫁…。)どんだけ和装似合うんですか。
という訳で、実は帰って来てから今日は、ポイズンが無限大2部で浴衣を着ている日…(笑)。夏のイベントかなんかだったんですかね?それの1日目を見て、やっぱり吉田さんのただならぬ和装の似合いっぷりに、心の底から感嘆していました。すげぇよ、この人。

その他のことについても、またぽつぽつと語り始めると思います。 (2008.2.1)
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