神保町花月2008年1月22日(火)~1月27日(日)
「東北ラブストーリー ~ラブ・レターは突然に~」
出演・チーモンチョーチュウ/ポテト少年団/カナリア
劇団THEフォービーズ
脚本・小杉四駆郎(劇団THEフォービーズ)
演出・堀江B面(劇団THEフォービーズ)
とある田舎町の大学を舞台に繰り広げられる
ちょっぴり切ない胸キュンラブストーリー
*ストーリー
*エンドトーク
*補足など
客入れ音楽・定番ラブソングが次々と流れます
客出し音楽・米米クラブ「浪漫飛行」
舞台は東北、ド田舎の大学。
孤島の村の住人たちは、入ってくる情報も遅れていて、10年以上も前にとっくの昔に廃れた流行やファッションセンスをしている。(例・ケミカルウォッシュのジーンズを流行の最先端と信じてやまない。)
チーモンチョーチュウ菊地・河村雄介
赤と黒のチェックの上着の裾を腹の前で結んでいる。田舎の大学生でダサい格好の割りには、菊地さんだけ、髪型だけは普通に今風…(笑)。
大学の「オシャレサークル」のみんなをまとめるリーダー的存在。この村のドンみたいな。女の子からは熱い視線を浴びるプレイボーイ、男子からは一目置かれる。
チーモンチョーチュウ白井・港智也
グレーのパーカー。(白井さんは、あんまり普段と衣装が変わっていない気がしました…。笑)
物語の序盤のみ、黒縁のメガネをかけている。
内気で、自然が好きで、雄介を取り巻く仲間たちとは絵に描いたように正反対。雄介たちと一緒に居ることがない。
ただ、好きで彼らと一線を引いている訳ではなく、雄介たちが智也のことを、「弱虫智也」と幼い頃からいじめてきた為。小さい島だから、彼らは幼稚園からずーっと一緒なのだ。
大学生になった今でも、雄介たちは、智也を仲間としては認めていない。
ポテト少年団菊地・江川洋介
黄色いキャップに肩までのロン毛のヅラ。完全なるひとつ屋根の下の「江口洋介」のパクリ…。パクリだと人聞きが悪いので、オマージュ…(笑)。
喋り口調も東北なまりではなく、うさんくさいDJ。
雄介たち「オシャレサークル」のメンバーが通っているディスコ(クラブではない。)のDJ。
この孤島に、都会の流行の最先端を運ぶのもこの人。ただしそれすらも相当古い…。(というか、そもそもそれが古い。)
ポテト少年団内藤・藤木勇作
カナリア安達さん演じる武の子分。若月(兄弟で漫才やってる子たちね)の舞台衣装。グラサンをずらしてかけている。
…特にこれと言って見せ場という見せ場はない。
ポテト少年団中谷・セバスチャン
黒人の設定の為、肌を黒塗りに。智也の家はお金持ちで、その智也の家の執事。
コンゴと徳島のハーフ。喋り方も異国なまり。
カナリア安達・木下武
ポテト少年団内藤さん演じる勇作の親分的存在。若月の舞台衣装。髪型は七三。グラサン着用。
武と勇作の2人は、雄介の仲間のうちで、一応「ワル」的な役割なのかな?(その割りに悪いことはしないし(笑)、この2人はほんとに見せ場らしい見せ場がひとつもない。)
カナリアボン・花園祐樹
お金持ちのボンボン。智也の家もお金持ちだが、智也は嫌われているのに対し、花園はお金持ちだけど嫌われていない。
ことあるごとに札束を出し、「はい、100万あげる」と誰にでもすぐに大金を渡そうとする。
ちなみにその現金を、どさくさに紛れていつも自分のものにしてしまうのがエセDJ・江川。
普段と髪型を変えているのですが(迷走に迷走を重ねた結果だそうです。)どう表現すればいいのかな…?よく分からないので割愛。
劇団THEフォービーズ岡田・片桐梓
物語のヒロイン。東京からド田舎の大学に入学してしまい、雄介と智也と三角関係になる。
劇団THEフォービーズいぐち・大河内彩子
男性を魅惑する村一番の悩ましい女性…、でも、「眉は太いほうが美人なんだべ!」と、極太の眉に白地にピンクのボディコン衣装。
劇団THEフォービーズ伊藤・智也の母
着物を着こなす由緒正しき日本人女性。
劇団THEフォービーズ一ノ瀬・智也の父
渋いお父さん。口ひげ。額に傷があったような気がしたんですが、あれは特に何の意味があったとかそういう訳ではなさそうです…。
劇団THEフォービーズ今村・塚原正人
村一番のプレイボーイの雄介を、いっちばんかっこいいと信じてやまない、熱い青年。赤いバンダナにケミカルウォッシュのジーンズ。農作業ラブ。イチオシはジャガイモ。(しかしあの小道具のジャガイモは、レモンにしか見えなかった。)
劇団THEフォービーズ高平・倉田健二
ロン毛のオタク系のヅラ。秀才。
以上。
カーテンコールでの安達さんの言葉を借りれば、「劇団の方たちがこんだけ固めてくれているので、俺たちがチョケられる」。
確かにそれもあるのでしょうが、やっぱり主演のチーモンのお2人の演技が、あれだけしっかりしていれば、劇団の方たちも頼もしかったことでしょう…。と、勝手に思うことにします。
セットは、パッと見て、「なんだかオモチャみたいなセットだなー」、と思いました。とってもシンプルです。
オレンジや緑、黄色など、カラフルなパステルカラーの箱をいくつか積み重ねていて、その箱の上を、人が立ったり歩いたり、移動出来るようになっています。
大きな箱が上手側と下手側、二箇所に同じ高さで積まれて、中央が少し凹んでいる感じ。
「大学」が舞台だとあったので、もっと凝ったセットなのかなー?と思っていました。
開演。
影ナレで、「この大学を志望した理由は?」「何か趣味などをやっていましたか?」「この大学で何をしたいと思っていますか?」という質問が降ってくる。それにスーパー早口で一度も噛むことなくスラスラと答える、舞台上の梓。
ただし、ひとつの質問が終わる度、「嘘ウソ!模擬回答にあったのをそのまま言っただけ!」など、梓の本音の心の声が流れる。「大学に入って何をしたいですか?」の質問に、梓が早口でよどみなく「ボランティア活動などに精を出したいです!」などと答えると、本心では「コンパに合コン!彼氏を作って、憧れのキャンパスライフをエンジョイするんだ!」と思っていたり。
こうして梓は数々の大学を受けた。受けて、受けて、受けまくった。素敵な出会いを求めて。青春を謳歌する為の大学を選んだつもりだった。
その結果、受かったのは「ケイオウ大学」
喜ぶ梓。
確か、ここで暗転して、スクリーンにオープニング映像が出たような?
オープニング映像は、宣伝チラシのイラストと一緒にキャスト名が表示されるものだったんですが…。
似せる気ゼロのイラストに、笑うべきなのか笑っちゃいけないのか、迷ってしまいました…。
白井さんの名前表示と共に出たイラストは、なぜかロン毛だし…。
オープニング映像と一緒に流れるのは、完全に「東京ラブストーリー」のあの音楽が、そのまんま使われていました。
オープニング映像終わり。
梓が受かったのは、なんと「ケイオウギジュ“ク”大学」ではなく、「ケイオウギジュ“ツ”大学」だった…。
という訳で、日本海に浮かぶ「小豆島」、東北のド田舎の大学に通うハメになった梓。そこで会った「オシャレサークル」の面々。雄介、正人、健二、勇作、花園、武、彩子。
みな一様に東北なまりで、そろいもそろって流行遅れのダサい服。
彼らは東京から来た梓の服装を変だと言うし、携帯電話の存在も知らない。
ちなみに携帯は圏外。
梓は流れで「オシャレサークル」に入ることになる。
お遊びシーン
携帯電話を初めて見た面々、「これ、なんだべ?」
ボンちゃんが「あ!分かった!」と、携帯の上に座って「リクライニングシート」。
座ったあと携帯を見たら、「117」って押されていたそうです。
安達さん(武)・内藤さん(勇作)ペア初登場シーン。
勇作をボコる武なのですが、「ボコバキベコッ!」という殴る効果音と綺麗に合っていない動作。
そして途中まで「カメハメ波」を撃つポーズで
武「カーメーのー産ー卵ー」
それを見た勇作、「ああ、なぜだか涙が止まらないよう(棒読み)」
雄介の呆れたようなツッコミ、「お前ら、どうした」
そこに、グレーのパーカーに首から黒の双眼鏡をぶら下げ、黒縁のメガネをかけた智也が現れた。
うつむき、とぼとぼという歩調で現れた彼に対し、口々に嘲りの言葉を投げ、突き飛ばす面々。
智也も黙ってされるがままの為、突き飛ばされて倒れてしまうが、誰もそれに構わず、去っていく。
…が、梓はおずおずと、彼に近づいた。
大丈夫かと様子を伺うが、智也は黙って走り去ってしまう。
彼が落とした学生手帳を拾う梓。
「…2年、港智也…」
金曜の夜は「ハナキン」。江川の経営する店「マハラジャ」がディスコになる日。
そこに、オシャレサークルのメンバーは週に一度集まるのだ。
江川が持ち込む「これからの流行」は、ズボンの腰ばきであったり、ドラマで使われて流行するバタフライナイフであったり、「安室奈美恵、MAX、SPEED…」であったり。
お遊びシーン
江川さんのレクチャーする、「これからの流行」
「ズボンを腰で履く」のが流行る!の際、
花園「そんなん、パンツが丸見えになってしまうべ!」
江川「そうだ、それがファッションなんだ!これからこの島はパンツになるぞ!」
雄介「…江川さん、それ、意味違ってきません?」
ごもっともです。(江川さん、熱かった。なんか知りませんが、熱かったです。)
「安室奈美恵、MAX、SPEED…」辺りの際。
その後、次々と出てくる人名が、どんどんマイナーな人に…、というか、知らない人ばっかり…。
江川さんがひとつ人名を挙げる度、他のメンバーはおうむ返しにその人名をリピートするのですが、安達さんなんかはもう、ポテ少菊地さんがちょっとズレた人名を挙げる度に、笑いをこらえきれていません(笑)。
そして最後に出すイチオシの人物は、「水木一郎」。ご存知アニメソング界の帝王。
江川「いいか、とりあえず水木一郎だけ覚えておけ!水木一郎だけは絶対に忘れるんじゃないぞ!」
水木一郎推し。(他の日は、また別の有名人がイチオシだったみたいです。ポテ少菊地さんの独壇場ですね。)
また、その際、雄介以外は江川さんからの流行を聞き飽きたポーズをしているのですが、武のみ、
雄介「…おい、武それはどういう状況だ」
舞台真ん中のセットに手をかけ、お尻を客席側にむけ、よつんばいのポーズ。
武「…リハビリ」
最後、江川さんが「バタフライナイフ」を取り出した際、全員、刃物に驚くリアクションをとるのですが、武が雄介に抱きついてそのまま倒れこむというオーバーリアクション。
江川「おう、武そんなに驚いたか」
基本、安達さんがフリーダム過ぎます。
また、その「ファッション」としてのバタフライナイフを、
花園「100万で売って!」
江川「いや、売れないな」
花園「んー、じゃあもう100万!」
江川「…。」
花園「ええい、じゃあもう50万!」
江川「よし!いいぞ!」
計250万を花園から巻き上げる江川。
江川「いいか、今時250万でバタフライナイフなんか売ってないからな」
はい、逆の意味で売っていません。
本筋に戻ります。
梓が「マハラジャ」を出ると、いかにも重たそうな黒いバッグを引きずり、重い、重い、と顔をしかめながらひとりで歩く智也と会う。
お互い、黙ってしまうが、そのまま去ろうとした智也に、慌てて梓は手帳を渡す。ぎこちない2人。
智也は舞台中央のセットに腰掛けると、バッグからスケッチブックを出し、絵の具を取り出した。
見ていると、絵を描くらしい。が、絵の具のフタが開かない。(一瞬、ガチのハプニングかと思いましたが演出でした。笑)
梓が絵の具を受け取ってフタを開けると、いとも簡単に開いてしまうフタ。ビックリする智也。
智也は双眼鏡を覗きながら、スケッチブックに鳥の絵を描く。
「絵、描くんだ?」と尋ねる梓にも双眼鏡を貸し、
「あれはヘラサギ。くちばしがヘラみたいになっているから、ヘラサギっていうんだ」
と説明する智也。詳しいです。
「オラ…この島の自然が好きだ」
時間軸が何度も交差する舞台なので、「多分」このシーンだったと思うのですが、暗転し、
「智也との別れは、涙なしでは語れないものでした」という梓のナレーションが流れ、あれだけ智也をいじめていたメンバーが、「智也との涙の別れ」をするシーンが挟まれます。
このシーンでは、智也はメガネをかけておらず、舞台下手側に居ます。
みんなが智也に向かって泣きながら手を振る中、舞台上手側に、ひとり、雄介が居る。
雄介だけは、他のみなとは微妙に異なる複雑な表情で、智也がいつも首から下げている双眼鏡を手にしていた。
ちなみに別れのシーンにて、
武「智也ぁ、●×※☆*…!!(涙が出すぎて何を言っているのか一切分からない)」
花園「智也。餞別だ。はい、2億(紙袋を差し出す)」
智也「いや…いいよ…。普通に考えて多いし…貰いすぎだし…」
ここから、更に他のシーンを挟んだか、それともこのままこのシーンに進んだのかが思い出せないのですが、
「そして、わたしはやっと、アメリカに来た!」という梓のナレーション。
智也は、アメリカの大学で、もっと自然のことを勉強したいから、という理由で、留学を決意した。
先のお別れのシーンは、そのとき、みんなで智也を島から送り出していたシーン。
勉強の邪魔になるといけないから、「4年」経つまでは絶対にこちらに来ないでくれ、と智也が言ったので、梓は4年間、待った。
あ、このときの梓の雰囲気は、完全に「智也のことが大好き」です。
そして、遂に智也の居るアメリカの家にまで来たのだ。
けれど、智也の家の執事は智也の居場所をはぐらかしてしまうし、なぜか呼んでもいないのに、そこには雄介の姿までもがあった。
智也のお父さん、お母さんにちゃんと挨拶しなくちゃ!と張り切る梓。
しかし、お父さんはともかく、智也のお母さんは奇妙な言動。梓は「嫌われてる!?」と不安げになる。
アメリカと小豆島という遠距離恋愛で、やり取りは手紙のみ。4年もの間、智也との文通を続けてきた梓は、感慨深げに智也からの手紙を読む。
再び、小豆島。
花の金曜日、ディスコ。
次々と登場する「オシャレサークル」のメンバー、そして色とりどりの羽扇子を手に、ダンス。(ダンスとも言えないような…阿波踊り…?)
ボンちゃんが持っているのだけが、紙の扇子。…お金持ちだから紙の扇子なのかな??分かりません。
そのときポテ少菊地さんは、後ろで地味にターンテーブルを回すジェスチャーをしたり、マイクを持ってノリノリでなんか叫んでおりまして、安達さん、またもや笑いをこらえきれずに苦笑い。
このシーンではみんなそれぞれ、それなりに着飾って登場するのですが、若月の衣装の上から普通に上着を羽織った安達さんは、ただのオッサンに見えました。
また、登場時にひとりずつ何か言うのですが、
武「最近、ヘルニアがひどいです!」
最早、ヘルニアは持ちネタ。
ディスコで飲み過ぎてしまった梓は、店の外で戻していた。外は雨が降っている。
そこへ、雄介が傘を持って現れる。
雄介「東京のおなごは、みんな酒さ弱いのか?」
梓をオシャレなレストランに連れて行きたい、とデートに誘う雄介。2人は「明日の、夜7時に船着場で」待ち合わせ、一緒に行くことを約束する。
梓からOKを貰った雄介は、相当嬉しそう。
「まだ、ここで酔いをさましたい」と言う梓に、雄介は持っていた自分の傘を渡し、はたから見れば
完全に梓に気がある動作で嬉しそうに何度も手を振り、店に戻っていった。
…しかし、そこまでされても、当の梓は全くピンと来ていないようですがね…。
するとそこへ、猫の鳴き声…。ではなく。若干の奇声を発しながら、重い、重い、とバッグを引きずり、智也が傘も差さずに歩いてきた。
相変わらず、オシャレサークルの面々と交流もせず、うだつの上がらない智也に、梓は「そのだっさいメガネをコンタクトにしてみたら?」と言う。拒む智也。
智也は、「こと座流星群」を見る為に、バッグに天体望遠鏡を入れ、山へ行くのだと言う。
今年を逃せば、次に見れるのは4年後。
梓「え?じゃあ、絶対見たいよね」
でも、この雨では、今日は無理。明日なら見れるかもしれないが…。
それを聞いた梓は、明日、一緒にこと座流星群を見よう!と智也を誘う。
待ち合わせの時間さえも人任せにして決められない智也に、梓は「それぐらいそっちが決めて!」とハッパをかける。
智也が言った時刻は…「じゃあ、夜の7時に、学校で」
「7時か…」
雄介との約束を思い出し、しばし考える梓だったが、結局うなずく。
雄介は梓に一方通行の片思いをしているというのに、当の梓は雄介の気持ちに気づいておらず、無神経にも智也相手に、同じ時間の約束を交わしてしまいます。
そして翌日。
梓は「待ち合わせの時刻になっても来ない智也」を待っていた。
もう30分も待たされているのだ。
そして、重いバッグを引きずりながら現れた智也を見て、怒りながら待っていた梓は…驚いた。
智也は、黒縁のメガネを外し、コンタクトをして現れたのだ。
梓の視線を感じ、まごまごと言い訳をする智也。
「別にお前に言われたからじゃない」
いわく、望遠鏡を見るのにメガネが邪魔だから。「明日からまた、メガネ生活だ」
それを聞き、梓は言う。
「(メガネがない)そっちのほうが、カッコイイよ」
2人は山へ登る。
そこへ、健二がふらふらと登場。山に捨てられているエロ本が目当てらしい。が、梓と智也の2人の姿を見て、ハッと身を隠す。健二には気づかない2人。
さっさと歩き出した梓に、バッグが重くてついていけない智也。
しょうがないなぁ、と、梓はバッグを軽々と持ってしまう。余りにも軽々と持つので、ビックリする智也。
智也、ひ弱です。
山に着き、天体望遠鏡を出して星を見始める2人。
途中、梓が天体望遠鏡を倒してしまいそうになり、危ないところで智也がキャッチ。
この辺りのBGMは、米米クラブの「浪漫飛行」です。
これはもう、素晴らしい選曲です。
「浪漫飛行」が大好きなわたしは、この曲を聴いただけで胸がギュッといっぱいになるのに、更にこのシーンは、今までぶっきらぼうにしか喋らなかった智也が、梓とどんどん仲良くなって…という経過が見れる、キュンとするシーン。
「浪漫飛行」の懐かしさと、この小さな島での小さな恋。そのダブル効果でもう、胸がキュンとなってしまって仕方ありませんでした。
ディスコでの江川さんの「流行講座」と言い、この大学の面々の衣装といい、このお芝居ってほんとに、「90年代テイスト」なんですよね。
だから、若いお客さんも楽しめることは楽しめるけど、多分20代後半ぐらいの年の人が、一番ドンピシャなのではないでしょうか。
わたしは聞いても分からなかった、「江川さんが挙げる人名」も、きっとポテ少菊地さんが絶妙な角度から切り込んだ、ジャストチョイスな人たちなんだろうなぁ…、とか思います。
いくら待っても、「こと座流星群」は現れない。
もう、無理かな…、という雰囲気。おまけに、大事な天体望遠鏡を触られるのを嫌がる智也に、梓は「ここまで重い荷物を運んできてやったのは誰だと思ってるの?!」と、怒ってしまう。
それに対しても智也は、「別に頼んだわけじゃないし…」と。
その発言が更に梓を怒らせてしまうのだが、そのとき、梓のののしりが一切聞こえなくなったかのように、智也が唖然と空を見上げる。
最初は気がつかず、智也のパーカーの腹を捲り上げて、智也の、っていうか白井さんの腹を丸出しにして(笑)、ぺちぺち腹を叩いていた梓も、智也の視線を追って空を見て…
舞台の背後に、綺麗な星空の照明が当たる。
「こと座流星群」が見えたのだ。
智也「…肉眼でも、見えるんだ…」
小豆島の星空の美しさに、2人は並んで、ずっと空を見上げていた。
そして、どちらからともなく、自然と手を繋いでいた。
(余談ですが捲り上げられたパーカーは、このときにはちゃんと、自然に白井さんがもぞもぞと元に戻したので、腹はしまわれています。笑)
すーっごく、綺麗なシーンでした。
手を繋ぐ、っていう、たったそれだけのシーンで、キュンとしちゃいましたし。
場所は変わって。
一張羅の白と黒のストライプのスーツを着て、雄介は「7時に、船着場で」梓のことを待っていた。
手には、大きな花束。
そこへ、正人が通りかかる。
この状態を見られるのは、余りにも恥ずかしい!そう思った雄介はとっさに花束で自分の顔を覆い隠し、バレないよう奮闘。まあ、しかしあっさりバレる。
正人「あっ、梓のことデートに誘ったべか?」
まあ、雄介に落とせない女なんか居ない、勿論OKだったんだろう、と、我らがファッションリーダーに惚れ惚れとする正人。…が。
雄介「…ふられちまった」
1時間、待った。
それでも、梓は来なかった。だから、ふられてしまった、と。
正人「ま、でも、雄介は村一番のプレイボーイなんだから、代わりはいくらでも居るけどな」
雄介「本気だったんだ」
東京という都会から来た梓は、この島のことも何も知らず、不安そうだった。
だから、雄介は、自分がこの村の色んなことを教えてあげなくては、と思った。そして、梓への気持ちは、本気だった。
村のプレイボーイが、本気で恋をしてしまったことを、一度は茶化す正人。
けれど、雄介の真っ直ぐな気持ちに、正人は雄介を応援しようとする。
…が、もう梓にふられてしまったと思った雄介は、諦めの色をみせていた。
途端、怒り出す正人。
雄介はこの村で一番カッコイイんだ、と。俺らは雄介が一番カッコイイと思っている。その雄介が弱腰になるなんて、そんな姿は見たくない。
正人の熱い思いのこもった説得に、雄介の気持ちには再び火がつく。
絶対に、梓との恋を実らせる。
雄介は、正人とそう約束する。
このシーン、すっごく好きです。
「浪漫飛行」の流れたシーンも、相当キュンとしてしまったのですが、このシーンの雄介と正人の友情にも、かなりキュンとさせられました。連続してキュンキュンしてしまって、もう、胸がいっぱいになってしまうぐらい好きなシーンで…。
正人役の、フォービーズ今村さんの熱演!!その熱い演技…!
ああ、正人は本当に、雄介が心の底から大好きなんだ。雄介のことを本当にこの村で一番かっこいいと思っていて、雄介のことを心から尊敬していて、慕っている。
「正人」の、熱い気持ち。親友を元気付ける、熱い説得。
時には雄介を怒鳴り、けれどもそれは、絶対的な信頼がある。だからこそ、「怒る」。
なんって綺麗な。なんって美しい友情だろうか、と思いました。
雄介のことを、信頼しているからこそ、言えること。
あと、このシーンの菊地さんは、ほんとにかっこよく見えました。
多分、ほんとに梓のことが、好きだから。
一途に恋をしている人って、こんなにもかっこよく見えるんだ、って思いました。
翌日。
殴る音、そして雄介の怒声が聞こえる。「そんなことを頼んだ覚えはねえ!!」
雄介に殴られていたのは、正人。
なぜ、こんなことになったのか…。時間は戻る。
舞台上には、智也と、正人。そして健二。
昨日、偶然山へ行った健二は、見ていた。梓と智也の2人が、山で手を繋いでいるところを。
それを正人に言った為、正人は智也を呼び出し、胸倉を掴む。「また昔みたいに、弱虫智也っていじめてやろうか?」
梓から手を引くように、と脅す正人。
その場へ、梓がやってくる。
場を離れる正人と健二。
いつものように、梓は智也に話しかけるが…
正人に脅された智也は、「弱虫智也」に戻ってしまっていた。梓と2人で居るときに見せていた、穏やかな笑顔も、楽しそうな表情も見せないで…。「もう、オラに関わらないでくれ…」
そう言い残し、智也は去っていった。
戸惑う梓。
「マハラジャ」店内。
いつものように、サークルのメンバーが集まっている。今日は「ズボンの腰ばき」にチャレンジしようとしている模様。
そこへ花園が現れる。
それは…「腰ばき」というより、完全に「膝」のところでズボンのベルトをとめ、パンツを丸出しにしたスタイル…。
しかし江川は、「それだよそれ!!これが完璧な腰ばきだよ!!」と大絶賛。
江川さん、楽しんでませんか。明らかに間違ってますが。
完全に膝の部分でベルトをしている為、それは最早「膝ばき」ではないのか…(笑)などと言われるなか、梓はひとり、隅でみんなの輪にも入らず、落ち込んでいた。
無論、そんな梓に気がつき、気にかける雄介。そして、梓と雄介のやり取りを、じっと見つめる正人。
梓と雄介、正人以外のメンバーは床に座り、他ごとで楽しそうにお喋りしている。
梓は、「気になる人に嫌われちゃったみたいで…」と話す。
雄介は少なからず、ショックを受ける。雄介は、梓と智也のことを知らないのですから。
「わたしが居たら、みんな楽しいのにわたしひとりだけ落ち込んでて、空気悪くしちゃうね」、そう言って、梓はその場をあとにした。
そして、正人が智也を脅したことが分かると、雄介は正人に対して怒る。「そんなことを頼んだ覚えはねえ!!そんなことしてくれって言った覚えはねえぞ!?」
だが、正人も怒鳴り返した。
「弱虫智也」に、梓を取られちまっていいのか!?村のプレイボーイが、本気で恋したんじゃなかったのか!?このまま引き下がってしまっていいのか!?
その言葉に、雄介の気持ちは固まった。自分は、梓が好きだ。
そして雄介は、智也とタイマンで決着をつけると宣言。サークルのメンバー総動員で、智也の居場所を探す。
そんな騒ぎを知らない梓。
梓のもとに、健二がかけつける。自分が、梓と智也が山で手を繋いでいたことを、正人に言ってしまったばかりに、こんなことになってしまった。雄介と智也が、タイマンで勝負をすることになってしまう。それを止められるのは、梓だけだ、と。
しかし梓は、戸惑う。梓は、雄介が梓のことを好きだということを、知らないのだ。
智也はサークルのメンバーたちに取り囲まれていた。
智也は、口々に「弱虫智也」とはやしたてられていた、過去を思い出す。
…それでも。
梓は、そんな自分のことを、それでも「かっこいい」と言ってくれた。
梓となら、一緒に笑うことが出来た。
智也は叫んだ。「『弱虫智也』でねえ!!」
今まで反抗したことがなかった智也。そんな智也が、雄介に殴りかかった。
思わぬ反撃に、すっかり興奮しきった雄介は、バタフライナイフを取り出し、智也にその刃を向けた。
「梓から手を引くか、今すぐぶっ刺されたいか、どっちだ!?」
智也は叫びながら、目の前にあるナイフの切っ先を、素手で握り締めた。
「梓はオラのもんだ!!絶対譲る気はない。オラは梓が大好きだ!!」
大きく目を見開いて、左手でナイフを強く、強く握り締め、血が出るのも構わず、刃を握る智也。
智也の剣幕に、驚きの余りナイフから手を離し、後ずさる雄介。
周囲のメンバーは思わず智也のもとに駆け寄り、怪我をした左手をかばうように抱きかかえる。
その場から走って去る雄介。それを追いかけようとする梓。健二は「行っちゃだめだ」と止めたが、梓は走った。
追いかけてきた梓に、「なんで追いかけてきた。期待するでねえか」と、雄介。
後ろから梓を抱きしめ、「オラじゃ…、ダメか?」と言うも…梓は答えられなかった。
梓の気持ちは、とっくの昔に、智也のほうに向いていたから。
「最後ぐらい、かっこつけさせろ」
雄介はひとり、走って去っていった。
根性を見せた智也は、晴れて梓と公認の仲として付き合うこととなった。
オシャレサークルのメンバーも、彼ら2人を祝福する。
お遊びシーン
照れながら並んで立つ智也と梓。
2人に対し、マイクを持って祝福する勇作が、2人に質問を投げかける。
勇作「えー、晴れて公認の仲として付き合うことになったわけだけども!お2人は、お互いのどこが好きですか!」
智也「…足です」
冷やかすメンバー。「リアルだな!」
そして梓の答えは、「わたしもです」
勇作「これからしたいことはなんですか?」
智也「えーっと…いっぱいチョメチョメしたいです」
白井さんはどうやらほとんどアドリブで答えているようなんですが、「チョメチョメて!」と呆れるメンバー(笑)
それに対して梓の答えは、「わたしもです」
どうやら、ここは梓は全ての質問に「わたしもです」と答える、ということになっているようです。
そこへ、雄介が現れる。
雄介は、「梓を頼む」と言い…智也と握手をした。
アメリカ。
智也の家。
お酒を飲みながら智也を待っている梓。
執事のセバスチャンを「ハゲチャビン」と呼んだり。
セバスチャン「ハゲではないです。五分(五分がり)です。」
しかし智也の父にも、母にも、「ハゲチャビン」呼ばわり。
セバスチャン「でも、負けない…時給の為に!」
梓は智也のノロケ話をする。
「智也って、なんだか弱くて、頼りなくて、…でも、ほっとけなくて」
梓に真実を知らせるときが、やってきた。
智也の父親は、「わしの口から話そうか…?」と雄介を気遣うが、雄介ははっきりと、「いえ…、オラが話します。オラと、智也との、約束だから…」
4年前。智也がアメリカに「勉強」をしに行くのではない、ということを、雄介だけが知っていた。
智也は、幼い頃から心臓に病気を持っていた。その病気は、アメリカの医者にしか治せない。みんなには、一言もそのことを言ったことはなかった。
(智也が幼い頃から、「弱虫智也」と呼ばれていたのは、この心臓の病気で体が弱く、みんなのように運動が出来なかったからなのでしょう。ただ、周りのみんなはそのことを知らないけれど…。)
アメリカに行く前に、雄介にだけは、真実を話す智也。
命に関わる手術で、成功するかどうかは、分からない、と。
智也は、自分が鳥を見る為に首から下げていた、双眼鏡を雄介に渡す。
「梓には、心配かけたくないから。だから、アメリカに行って、もっと自然のことを勉強するんだっ
てことにしておく。このことは、2人だけの秘密だ」
智也は、雄介に言う。「オシャレもいいけどさ…、この島の自然はすっごく綺麗だから。だから、この島の自然も、見なよ…」
絶対に、絶対に元気になって帰って来い、涙を流して叫ぶ雄介に、智也もまた、絶対に元気になって、帰ってくることを約束する。
…けれど。
智也は死んでしまった。
2年前に。
嘘だ!と、梓は自分が大切に持っていた手紙をかかげる。
なぜならそれは、智也と4年間、交わし続けたラブレター。
智也はこの手紙をくれた!だから、智也が死んでいるなんてことが、あるわけがない!これがその、動かぬ証拠だ!
梓は手紙の文面を、声に出して読み始める。
…すると雄介は、その梓が読む手紙の文面と全く同じ文章を、何も見ずに、よどみなく口にした。
梓を悲しませちゃいけない。
梓を悲しませないことが、智也と雄介、2人の約束だから。
だから智也が死んだあと、雄介は、智也の代わりに手紙を書いた。智也のフリをして。2年間。ずっと雄介が、梓に手紙を書いていた。
「でも…、結局、悲しませちまったな…」
泣き崩れる梓。
智也の母親は、「智也をこんなにも愛してくれて、ありがとう」と、涙を流しながら感謝した。
智也の母親が、梓に対しておかしな行動をとったのは、智也が死んでしまったというその事実を伝えなければいけない、という悲しみからだった…。
智也の父は、「あの子は、本当に自然が大好きだった…。智也は、生きています。こうして、わたしたちのことを、見守っています…」
そう言って、窓を開けると…。
そこには、綺麗な綺麗な、一面の星空が広がっていた。
小豆島の自然を、誰よりも愛していた智也。
智也は、星になって、梓のことを、雄介のことを、みんなのことを見守っている。
「東北ラブストーリー ~ラブ・レターは突然に~」完
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エンドトーク
お芝居が終わって、全員が並んでお辞儀。
チーモン、カナリア、ポテ少が前列。後ろの一段高くなっているセットにフォービーズの皆さんが並んでいます。
そして、チーモンの菊地さんだけが顔をあげていて、他の全員はお辞儀で頭を下げたまま。菊地さんが声を張り上げ、「ありがとうございました!」と言って礼をし、幕が閉まります。
もう一度幕が開き、カナリア、ポテ少の面々が顔を上げると…
ラストシーンは、ほぼ、チーモンのお2人のシーン。という訳で他の面々は出番がない。
その時間を利用して、初日から毎回、落書きをしているらしい。
チーモン菊地「あのね…、今日で3回目なんですけど、初日から全員、顔に落書きしてくるんですけどね…。今日はこれについては一切触れません!」
ポテ少菊地「ふれてー!!」(笑)
ボンちゃんは頬を赤く塗っているうえに「驚異の腰ばき」(笑)=パンツを丸出し。更になぜか、ギターを所持。安達さんは、「初日から毎回ヒゲを書き足していた」そうなのですが、今回はヒゲ+歯も塗って「お歯黒」。
ポテ少中谷さんは、タレ目のついたメガネ。ポテ少菊地さんは、デビルマン風のメイク。
ポテ少菊地「これはちゃんと裏設定がありますよ?本編でお金を貰ってばっかりいたから、最後にはこういう悪魔みたいな顔になっちゃった、っていう」
最後にポテ少内藤さんは、犬のメイク。額に「ワン」って書いてあります。
もう、本編のラストであれだけ感動させといて、エンドトークでこれ…(笑)
笑うしかなかったです(笑)。もう、このひどい顔を思いっきり見せられてしまっては…(笑)ほんとに、ものの見事に涙が吹き飛びました(笑)。
今回のハプニングは、ボンちゃんから2億が入った紙袋を受けとる際、ポテ少菊地さんが紙袋を受け取りそこねて、お金をバラまいてしまったこと。
ポテ少菊地さんの役は、東北なまりではないのに、とっさのアクシデントに焦って、「オラの金!オラの金!」と、なぜか急になまりだした(笑)。
また、劇中のチーモン菊地さんの「涙を流しての熱演」について、「いや、ほんとに凄い」、と褒める安達さんたち。
チーモン菊地「いや、もう次ぐらいから、涙も出なくなりますよ。慣れちゃって」
なんて言ってましたが、果てさて。
フォービーズの皆さんから告知もあり、エンドトークは終了。
最後に、客出しにかかるBGMは、「浪漫飛行」
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補足。
レポを書きながら、どうしても「このシーンがあったのに、どこに入っていたのかが分からない」場面など。あと、「ここで感想入れたいけど、そうすると話の流れをぶった切っちゃうから入れられなかった感想」とかも。
このお芝居は、「小豆島で過ごした智也との思い出(過去)」と、「アメリカに来た梓(現在)」のシーンが交互に挟み込まれている構成です。
どのタイミングで「アメリカ(現在)」のシーンが挟まれたかは、かなり自信がないのであしからず…。
なので、「小豆島(過去)」のシーンで「弱虫智也」と呼ばれていた智也が、「アメリカ」のシーンではいきなり梓と恋人だという設定になっていて、最初はびっくりしました。
バタフライナイフ騒動を起こした雄介が、「オラじゃだめか?」と梓を背後から抱きしめて聞くシーンは、このシーンのかなり前に、武が「そう言えばこの前の『あすなろ白書』見たか?」と言って、武と勇作で「あすなろ白書」のシーンを再現する場面があります。
で、雄介は梓の反応を見て、「ドラマみたいにはいかねえなぁ」と言うのです。
ちなみにこの「あすなろ白書」再現後、勇作のお尻に何度もキスする武。
安達さんがフリーダム。
梓が初めてアメリカの智也の家に来て、執事のセバスチャンに会ったときのセバスチャン、
「わたし、コンゴと徳島のハーフです!コンゴ!(←黒く塗った手首を指差す)徳島!(←手袋をぬぐ。すると、手袋で隠れていた部分は黒く塗っておらず、地肌で真っ白。)」
江川さんが「これからの流行うんちく」を語るシーンで、たまらず梓が「ピッ」とリモコンを押すと、全員の動きが早送りになる。
その際、雄介が、健二が腰につけてたナップ(…なんだっけ、これの名前?)をひたすら上下に揺すりまくって、早送りが終わったあと、健二が一言、「熱い…」
それに対して笑いをこらえきれない雄介…というか菊地さん(笑)。
それを見ていなかった武が、健二の一言の意味が分からず、「熱いって何?」
確か、エンドトークでの、「江川が2億を受け取ろうとしたけど、お金が散らばってしまった」シーンは、智也と梓が晴れて結ばれ、その「お祝い」として、花園が2億を渡そうとしたんだったと…多分。
そしてエンドトークで誰かが、「智也がアメリカに行くとき、花園から2億を貰っとけば、智也の病気、多分治ってたよ!」という致命的なポイントを指摘してしまい(笑)、思わず「ヒィッ!!(そうか!!)」と声が漏れてしまいました。
ちなみにポテ少菊地さんは、「今日一日で2億9千万ぐらい稼いだ」そうです。
また、涙を流して「絶対に元気になって日本に帰って来い!」と智也をアメリカに見送る雄介のシーンは、菊地さん、本当に泣いていました。
横を向いていたときに、「菊地さん、熱演する余り、めっちゃツバがとんでる!」と思ったのですが、菊地さんが正面を向いた瞬間、その頬に涙がボロボロ流れているのが見えて…。
智也の母親役の、伊藤さんも、本当に泣いておられました。
このシーンきっかけに、客席からもすすり泣きが漏れていました…。わたしも泣きました…。そして、そのシーンをこのレポに書き起こして、ああ、こんなシーンがあったなぁ…、と思い出した瞬間、またもや涙がぼろぼろ流れてきました。
最後の最後の、シーン。
智也の父親が窓を開け、満点の星空が広がるラストシーン。
これは、劇場に行かなければ、決して体感することの出来ない、感動的な照明の演出でした。
星空が広がったのは、舞台上だけではなかったんです。会場の、客席の横の壁や、天井にまで、ぶわっと一面、劇場中が星空に包み込まれたんです。
これは本当に、素晴らしかったです…。
このシーンも、やっぱりここまでやられてしまっては、相当胸にグッとこみあげるものが来て、感動的なラストシーンに、まさに相応しい…。素晴らしい演出でした…。
まだ長くなりそうなので、また「お芝居全体の感想」も、新しく記事を立てて書こうと思います。