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神保町花月「ラストニュース」
2008年2月13日(水)~2008年2月17日(日)

脚本・牧田 明宏
演出・高梨 由(TRAPPER)

出演・ミルククラウン/武内由紀子/ラフ・コントロール/クレオパトラ/来八/平田敦子
    鷲田桃子
    だてあずみ。/アリーチャン/マイク阪本/マエミア(網本賢治・前迫靖斉)

あらすじ・男はある夜一つの罪を犯した。そして、その真実を隠そうとした。男はニュース番組のキャスターである。男は自らの真実に脅えながら、日々、おそらく真実であろう世の中の出来事を伝える。男の抱えた真実が次第に輪郭を見せた時、男は…。

+ + + + + + + + + +
セットは、舞台上に大小のテレビが計8個。
舞台の後方は段差があって高くなっていて、その上を人が歩いて通れる感じ。
段差の前面は、白、黒、青の3色。
最初、開演前にライトが当たっていない状態で見たとき、青い色が見えなくて、「白、黒、灰色」に見えていたので、「ニュース」…新聞?と思ったんですが、違いました(笑)。
計8個のテレビは、舞台下手の手前に2つ(大・小)(大きいほう、一番下手側にあった1個だけが、テレビじゃなくてパソコンかな?)、あとはセット上にランダムに配置。
これまた開演前、幕が上がっている場合はわたし、とりあえず一番前まで行ってセットのチェックをしてしまう癖があるのですが、8つ全部、ランプが緑に光っていて、電源入ってました。
(…あ、これ、そこまでは詳しく見なかったけど、このテレビの電源を消すことって可能だったのかな?笑)(よいこはまねしちゃだめだよ!)
舞台の上から、円盤が取り付けられた紐が垂れ下がっている。
これって何をイメージしたものなんだろうなぁ?ただの飾り?
もさもさの麻紐みたいなのが舞台の天井から数本下がってきていて、そこに赤、青、緑、白、きらきらラメなどの色の円盤が取り付けられている。
そしてセットの壁には、野球だのビルだのどこかの国の様子だの、新聞で見かけるような写真が大きめにペタッと張ってある。
で、そんな中、主演のミルククラウンのお2人の顔写真も、2枚こっそり(というほどこっそりではない。)どさくさに紛れて張ってあります。竹内さんが下手側、ジェントルさんが上手側。

こんなもんかな?

開演。
まず、最初のシーンを挟んだ後、オープニングシーンがあるのですが、
これがねぇ…。
わたしの中では非常に分かりやすい一言で表すと、「ミジンコターボみたいなオープニング」なんです。はい、多分こう言われても、一切ピンと来ませんよね(笑)。わたしはもの凄くしっくり来る例えなんだけどな…!(笑)
「ミジンコターボ」っていう、関西の劇団のオープニングを思い起こさせるオープニングだったもんで…。
なんだろな、この「ラストニュース」のオープニングを言い表すと、ポップでキュート、カラフル、リズミカル。かな。
エキストラとしてちょい役出演の方たちが、緑、黄色の傘を持って、音楽に合わせて足踏み。
そのほかの出演者たちは、自分の顔の白黒写真を引き伸ばした、大きなパネルを顔の前に掲げて持って、足踏み。
ひとりずつ、またはコンビごとに中央に来て、パネルをずらして顔を見せて、ちょっとチョケたりポーズ決めたりしてから、ハケて。
動作もいろいろで、軽く前後にずれてみたり、結構動いてました。
最後に舞台上に1人残ったのがジェントルさんで、下手側に「おーい!」と呼ぶような仕草をすると、前のシーンで出番だった竹内さんが走ってきて、2人そろってポーズ。

結構、ポップなオープニングでした。

お芝居のオープニングって、そのお芝居を象徴する大事なものなんだなぁ、って、これ見て思いました。

このオープニング、全然話の内容とマッチしてなくって、なんかミスマッチな気が拭えません。
オープニングはとっても軽快でポップでキュートなんだけど、このお話自体は、結構重いお話…、だと、わたしは思う。
うーん…、ポップなオープニングは、確かに見ていて楽しかった。楽しかったし、こういうかわいらしいオープニング、好きだけど…、このお話のオープニングとしては、あんまり合ってないような気がして。
オープニングだけが、劇の中で、浮いている感じ?
すっごく、なんか、違和感がありました。
もっと話と馴染ませてほしかったなぁ…、と思いました。
(そう思うと、ほんとに「オープニング」って、簡単なようで、実はもの凄く難しいものなんだな、って思いました。)
(今まで、当たり前のようにプラン9の「オープニング」を見ていたけれど…、今まで1度も違和感を持たなかったってことは、それぐらい演出家が凄い、ってことなのかなぁ?)


お話の冒頭で、客席の横側の上(これが噂の3階なのかなー?)辺りの通路…??どうなってるんだろう、分かんないんですが、そっから機動隊の4人(上手側に2人、下手側に2人)が立てこもりの犯人を説得するシーンがありまして。
ここか!「ハッピーな片想い」で、ポイズン吉田さんと武内由紀子さんの2人が居た場所は!!(笑)
「ハッピーな片想い」で見た映像だと、いまひとつどこに居るのか分からなかったもんで、まさかこんなところでこの謎が解けるとは!(笑)なるほど、そこなのか!!


与太話はこんな感じですかね。
では、「ラストニュース」のストーリー。

一人の男が、夜、女性を車で轢いてしまった。
男はニュースキャスター、緑川圭吾(ミルククラウン竹内)。
目の前で起こった出来事に、すっかり気が動転している圭吾。そこに、携帯電話がかかってくる。
それは彼の妻、夏江(武内由紀子)から、「タバコを買ってきてほしい」という電話だった。
圭吾は焦りながらも、妻に伝えた。人を、轢いてしまったと。

それを聞いた夏江は、事故を隠蔽しよう、と提案する。
女性の遺体を秩父に埋め、2人はこの事故を、隠し通すことにする。

圭吾はニュースキャスター。
そしてその妻は、料理研究家のカリスマ主婦。何冊も本を出している。
2人の暮らしは、とても充実したものだった。
夏江は力説する、この事故がバレてしまって、刑務所に入ったとして、出てきたあなたは、また再び、今のような生活が出来ると思う?

…そんなことならば、この事故を隠し通せばいい。
この事故さえ、無かったことにしてしまえば、それで2人はいつも通り、いつもの安定した、ごくごく普通の生活が送れるのだ…。
2人は恐れていた。
今の、ごくごく当たり前の日常が壊れてしまうことを。
2人は、とても恐れていたのだ。
自分たちの日常が、壊れてしまうことを。

そんな2人を取り巻く、様々な人たち。
トラブルメイカーな緑川の兄、省吾(ミルククラウンジェントル)。圭吾の家で家事手伝いをしている、フィリピン人のルビー(平田敦子)。
圭吾の職場の、番組ディレクター(クレオパトラ亜町)、ジジィの記者(ラフ・コントロール森木)、お天気お姉さん(鷲田桃子)。
夏江の担当の編集者、八重樫(ラフ・コントロール重岡)。
突如家に転がり込んで去っていった、怪しげな男、与田(来八田中)。

そして…圭吾が遺体を埋めに行く際、事故現場に置いて忘れてきてしまった遺体のハイヒール、ブレーキ痕…、
それらを見て何かを感じ取る2人の刑事(来八小林、クレオパトラ長谷川)は、圭吾の周辺を探り始める。

何かがおかしくなってきた、緑川の家。
返り血を浴びた圭吾のシャツを見た、省吾とルビー。
どこかギスギスした空気を感じ取っていた省吾が、ある日言い出す。
「もう、全部言っちゃったほうが、楽になるんじゃないの?」

省吾に、全てを悟られてしまった。

省吾はこのことを警察に言うだろうか?
そのとき圭吾がとった行動は、
自らのネクタイをほどき、実の兄の首を絞めて殺めることだった。
全てを知られてしまっては、いけないのだ。
誰ひとりとして、この真実を知ってはいけない。
だって、
この真実を知られてしまっては、今の大切な「ごくごく当たり前の日常」が、壊れてしまうから。

目の前で事切れた兄を見て。
目の前で夫が人を殺めるのを見て。
「俺は…2人も…人を…」
圭吾と夏江は、省吾の死体をどうするべきか、混乱しながらも必死でまた、どうするべきか、どうすればこのことを隠し通せるのか、考える。
省吾の死体を、とりあえず移動させよう。
そうして圭吾が、省吾を抱きかかえたとき。

「…俺が車で人を撥ねたあのときは…、暗くて、顔もよく分からなかった。
 人を殺したという実感が湧かなくて、遺体を埋めたときも、まるでゴミでも埋めているみたいに思えた」

今、圭吾の自宅のリビングで、事切れている兄。
その顔を。死んだ人の顔を、じっくり見た圭吾は。
人が死ぬということは、こういうことなんだ、と。
取り返しのつかないことをした、と。
ようやく気がついた。

その瞬間、咳き込みながら息を吹き返す省吾。
力が緩かったのか、食い込んだネクタイの位置がよかったのか、すんでのところで、省吾は死ぬことをまぬがれたのだ。
省吾は圭吾を引っぱたいて、怒鳴る。
「何がゴミだ!?」

省吾は、全てを悟っていた訳ではなかったのだ。
様子のおかしい緑川夫妻に、カマをかけていたのだ。
結果、すんでのところで殺されかけてしまったが…
省吾は言った。
「知り合いに頼んで、なんとかしなくちゃな」

省吾の言う「知り合い」、それはヤクザ。
省吾は今までにも、ヤクザともめ事を起こし、借金をしたり…。そんな生活をしていた。
その筋の人に頼めば、死体の処理も、もみ消しも…、何もかもやってくれるだろう。
「またつけ込まれるだけだ!」と止める圭吾だったが、省吾は去っていった。
この事故を、隠し通す、その為に。


ニュースキャスターとして、生放送の番組に出演する圭吾。
そこに入ってくる、ニュース。
秩父の山中から、女性の遺体が発見された。
更に追い討ちをかけるように。
…緑川省吾が、車で追突事故を起こしたというニュース。

そのニュースを読んで。
圭吾は、番組の本番中、懺悔を始めた。

わたしは人を殺しました。
そのことが発覚するのを恐れ、その人を山に埋めました。
そして、わたしの実の兄は、全ての罪をかぶろうとしました。
わたしは今まで、自らの罪を隠し、嘘をついたまま、ニュースを読んできました。


圭吾の、「最後のニュース」。
それは、自分自身の罪を告げ、「真実」を伝えることだった。


時は過ぎ。あれから2ヶ月。
慣れない松葉杖をつきながら、省吾は家に戻ってきた。
家には、家事手伝いのルビー。

省吾は言う。
「2人で、待とうな。」


「ラストニュース」完(2008.2.15)

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